御茶ノ雫

三種の神器はポメラ、iPhone、万年筆。

なぜ手書きなのか? 

2013/08/10
Sat. 02:42



文明が振り切れなかった手書き文字


文字の歴史は意外に古く、アンドルー・ロビンソンの『文字の起源と歴史』(*1)によると、この世に文字の原型が誕生したのは氷河時代、つまり最も古くて紀元前2万5000年も前のこと。「始原文字」を用いて、人々は絵文字的コミュニケーションを図ったとされる。驚くべきことに、2万5000年前にはすでに文字らしきものがあったのだ。

一説に世界最古の文字とされるシュメール文字が誕生したのは、紀元前3300年のこと。イラクのウルクで、シュメール人が粘土板に記号を刻み始めたのである。その200年後にはメソポタミアで楔形文字が使われ始める。それと同時か、やや遅れてエジプトのヒエログリフが登場し、紀元前1700~1600年にはパレスチナで最古のアルファベットが誕生。そして紀元前1200年、卜骨の甲骨文字から漢字ができ始めた。数千年の時を経て、人間は今でも文字を使い続けている。人類の歴史はまさに文字の歴史であるといっても過言ではない。

とはいえ、かように長い文字の歴史のほとんどが、専ら手書きの文字の歴史である……とはいえない。800年よりも前に、中国で印刷技術が発明されて以降、人々は常に手書き文字と非手書き文字との共生の道を歩んできた。同じ形の文字をいくつも複製できる印刷文字や電子文字と、一つとして同じものはない手書き文字。そのどちらも、切り捨てることができずにここまできた。なぜだろう。
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